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[研究発表I]

 

「週5日制にかかわる運動部活動のあり方」

 

宮脇勝弘先生

 

紀要69ぺ一ジからご覧下さい。鳥取県では、平成6年度に運動部活動についてのアンケートを実施して、生徒・指導者・保護者についての意識調査を3年前の本会での発表とさせて頂いております。当時は、月に1回の第2土曜日が休業日となって二年目に入り、新しい体制になれてきた所でした。その中で、土曜休業日が増えていくであろう将来に向け、部活動の活性化の方向を模索してまとめたものが前回の発表でした。
週5日制への移行も中ばに差しかかっています。
二年前よりも、その過渡期としての傾向が顕著に表れているはずです。特に現場の指導者は、土曜休業日の部活動禁止、旧教育課程のままでの授業日数の減少になどにより、かなりとまどいが多いのではないかと考え、今回はアンケート対象を部活動指導者にしぼって前回との比較研究を進めていくことにしました。
完全週五日制に向かっての部活動に対する指導現場の悩みや問題点を浮き彫りにして、これからの部活動を充実させるための足がかりがみつけられればと思っております。

 

1.アンケート結果及び考察

 

(1)間1について
部活動の重要性に関する意識調査です。
選択肢(1)大いに思うと(2)少し思うを合わせると、男性で85%、女性で100%占めていまして、部活動の健康保持増進であるとか、体力や運動能力の向上、教師や生徒相互の触れ合い等部活動の必要性は広く認められていると言えます。しかし、男性のアンケート結果の中で約15%の方は反対の意見を持っていることも事実です。
厳しい顧問の指導から対外的な活動、厳格な上下関係に見られる封建的な構想等ともすれば非協力的になりかねない要素を含んでいることを常に心に止めておく必要があるのではないかと考えます。

 

(2)問2について
「生涯スポーツに手立てとして有効であると思いますか」という質問です。
P.70に入りますが、問1の部活動が重要であるかという質問とほぼ同じ傾向がみられますが、問1のケースと比べるとややマイナスの方に傾向がみられます。
現在部活動に入っている生徒の質がかなりまちまちで動機も色々です。単純に楽しそうだからという同好会的な気持ちの生徒から全国大会を目指していくようなハイレベルな技能の選手まで同じ部に入部してきます。どうしても部の活動になじめずにその競技の楽しみを味わうこともなく、やめていってしまう生徒もおりますし、全エネルギーを部活動に注いだ結果、もえつき症候群的な傾向になって中学校を卒業と同時にその競技から離れてしまうというような現象もあります。そういうことが、この部活動の重要性は意識しているけれども生涯スポーツとなると少しマイナスの傾向がアンケート結果に出たということが原因ではないかと考えます。

 

(3)問3について
在職校での部活動顧問が専門種目であるかどうかという設問です。
男性で4割、女性で6割以上がその種目の競技経験を持たない、いわゆる素人の顧問であるという結果がみられています。部活動を何年か続けていって部活動の指導を続けていけばその専門に必要となる。知識の中で体力の向上をはかるためのトレーニング理論であるとか、スポーツ傷害に関わる理学的な知識等、種目をこえて共通したものもたくさんありますのがある程度、経験

 

 

 

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